Polar Class 2800DWT 新造貨物船のSales&Leasebackを組成しました

コロナウィルスは人の移動というものを徹底的に制限し、車やブランド品という高付加価値品を消費の最下層に押しやりました。しかし、このような環境下でもライフラインに欠かせない物流はだれも止めらません。
今回弊社で組成した「グリーンランド国有船会社が所有する新造貨物船のSales&Lease back」は、まさにこのような変化を意識できる案件となりました。グリーンランドは広大な国土に5万人の国民が点々と散らばって住んでいます。これらの村々に生活物資を輸送し、人々のライフラインを守る海上輸送は民間企業に委ねられない国の重要なインフラです。

冬は氷に閉ざされ、暖かい季節でも流氷が浮かぶグリーンランドの海を運航するには耐氷能力(Polar Class) が備わった特殊な船が必要になります。また港が整備されていないので、船体の大きさの割に大きくリーチの長いクレーンが搭載されているのも特徴です。
その特殊性と極地での運航からこの船は売却したくてもなかなか買い手が見つからない流動性の低いアセットです。「アセット価値と流動性」を特に重視する弊社にとってコロナウィルスによる社会変化がなければ見落としていた案件だったかもしれません。
グリーンランドの船会社にとっても、国民の命を支える船を国外に所有権移転してリースバックするといった発想は当初全く持ち合わせていませんでした。
交渉は半年を超えるものになりましたが、弊社はグリーンランドのライフラインを支えるビジネス意義は「アセット価値と流動性」の低さを補完するものと再評価し、また船会社の方でも、それまでの交通銀行1行からだけのファイナンスソースを分散化するリスクヘッジの意義を再評価していただき、最終的に合意に達することができました。
今回はMIP株式会社が組成する投資案件として、出資者の皆様と四国を拠点に置く金融機関の参画により実現することができました。出資者の方々には投資利回り以上に社会的意義を感じていただいていると信じております。また金融機関におきましても、グリーンランドを運航する特殊船という大変難しい融資にも関わらず大いに頑張っていただきました。重ねてコロナウィルスという制約の中、本案件のエグゼキューションまで支えていただいた関係者の皆様に感謝を申し上げます。

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